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熟成による変化を楽しむ「黒茶」

■ざっくりどんなお茶?■

黒茶

 

黒茶は“後発酵茶”に属し、さらに「熟茶」と「生茶」に分けられる。雲南省の普洱(プーアル)茶が有名。

 

「熟茶」は麹菌の働きで発酵を早めさせたもの、独特のこもったような香りがある。「生茶」は茶葉本来の酵素の力で発酵させたもの、比較的飲みやすい。(発酵度80~100%)

 

黒茶は長期保存することで発酵が進み、味の変化を楽しむことができる。40年物のヴィンテージ品は高値で取引されている。

 

多少クセがあるので嫌厭されることもあるが、一度ハマると虜になる魔性のお茶。

 

主な産地は、雲南省、四川省、広東省、広西チワン族自治区、湖南省など。

 

黒茶<目次>

黒茶<目次>


楽しみ方

1.楽しみ方

●手軽に飲みたいときは・・・

黒茶もあまり渋くならないので、マグカップに直接茶葉とお湯を注いで、さし湯しながら楽しめます。ただ、ものによっては最初は細かい茶葉が浮いていて飲みにくいかもしれないですが。邪魔な茶葉は息を吹きかけてマグカップの奥によけながら飲んでください。

 

●丁寧に飲みたいときは・・・

臭みを抜くために、一煎目は飲まずにさっと湯通しして捨てる(洗茶)と飲みやすくなります。それでも独特の香りが苦手な人は、紫砂壺がオススメです。まろやかに飲みやすくしてくれます。生茶は蓋碗の方がいいかもしれないです。多くは10煎くらい味が出ますので、ゆっくり楽しんでみてください。

 

●裏ワザ・・・!

冷やして飲むのも結構おいしいです。大きめの紫砂壺で茶葉にお湯注いで3分間じっくり蒸らします。その間に大き目のグラスに氷いっぱい入れて冷やしておいて、3分経ったら紫砂壺のお茶をグラスに全部出します。お茶と氷をよく混ぜて冷えてきたら飲みます。スッキリ飲めるので暑い夏の日にもおすすめ!

 


生産エリア

2.生産エリア

中国黒茶産地の地図
中国黒茶産地 ※クリックで拡大

主な産地は、雲南省、四川省、広東省、広西チワン族自治区、湖南省など。


代表的な銘茶

3.代表的な銘茶

(1)雲南普洱茶

(うんなんプーアルちゃ / Yun nan pu er cha)

雲南省南部の普洱県がお茶の集散地であったために「普洱に集められたお茶」はこの名で呼ばれるようになった。そのため、一口に「普洱茶」と言っても、製造方法が異なる熟茶や生茶、形状が異なる餅茶や散茶などさまざま。

 

(2)六堡茶

(ろっぽちゃ / Liu bao cha)

黒茶の中でもプーアル茶と並び歴史ある名茶で、「陳香」という熟成した香りが特徴的。赤みを帯びた透明感のある水色は「中国紅」とも呼ばれる。主に広東、広西エリアや香港、マカオで親しまれている。

 


製造工程

4.製造工程

黒茶 製造工程
黒茶 製造工程

※他の中国茶との製造工程比較はこちら



5.銘茶について詳しく・・・

雲南普洱茶

(1)雲南普洱茶

(うんなんプーアルちゃ / Yun nan pu er cha)

 

【特徴】

雲南省南部の普洱県がお茶の集散地であったために「普洱に集められたお茶」はこの名で呼ばれるようになった。そのため、一口に「普洱茶」と言っても、製造方法が異なる熟茶や生茶、形状が異なる餅茶や散茶などさまざま。


ワインのように何年も寝かせることで、特有の熟成した味わいに仕上がるため、古いものほど価値が高くなるとされており、40~50年モノが市場に出回ることは殆どない。

 

<熟茶>※麹菌などの作用により2~3年で飲み頃になる

形状 潤いのある烏色。緩くねじられている
水色 深みのある黒褐色
香り まろやかでほのかに甘みを帯びた独特の陳香
味わい

よく熟成したものほどまろやかで渋味や苦味は殆ど感じない

 

<生茶>※年月をかけて自然発酵させたもの

 

形状 若いものは深緑色、年代物は褐色
水色 透明感のある明るい薄緑色
香り 清々しい香り。古い家のようなこもったような香りも感じる
味わい

総じて爽やかだが、若いものほどピリッとした刺激を感じる

 


【産地】

雲南省思茅市、西双版納(シーサンパンナ)など

 

海抜

1,800~2,000m

年間平均気温 13~20℃
年間平均降雨量 1,000~1,500mm
土壌 肥沃、深厚、柔軟地質、有機物を多く含む

 


【歴史・逸話】

  • 南宋時代の李石が著した『続博物志』の記述によると、普洱茶は唐代から西藩地方(現在の雲南省)で生産され始めた。
  • 普洱茶の発祥については諸説あるが、雲南は辺境の山奥であるため、かつては主要な消費地へ運搬するのに半年から1年ほどの長い時間を要した。運んでる途中、温度や湿度の変化によって茶葉が酸化し、現代の普洱茶に通じる独特の味や香りが醸成されたといわれている。
  • 明の万暦年間(1573~1620年)に「普洱茶」という名称が付いた。
  • 清代の趙学敏が著した『本草綱目拾遺』には、普洱茶は消化不良を直し胃の健康を保つと記されている。
  • 『紅楼夢』六十三巻にて、自分の誕生日で満腹になり消化が良くないと言う宝玉に対して、林之孝の夫人が普洱茶を飲むように薦めている。
  • 以前は広東などの限られた地域で飲まれていたが、科学的な研究によって健康茶としての効能が注目されたり、ビンテージもののブーム等によって近年知名度が一気に高まった。日本でも「プーアル茶」として広く知られている。
  • 「普洱茶=かび臭い」というイメージも根強いが、日本における納豆と同様に、近年では研究が進みかび臭くない普洱茶も作られている。
  • 茶樹は喬木型大葉種で優良品種の一つ。大葉茶樹は芽生えが早く、若芽が長持ちして茶葉が大きく産毛が多い。茶葉質は柔らかく、新鮮な茶場は十分に水分を含んでいる。

 

【現地卸値参考価格】(2015年)

(熟茶/普洱茶磚)
・1年物:10~30元/50g
・3~5年物:10~40元/50g
・10年以上:熟成状態によって20元から数千元以上とかなりバラツキが出る。

(生茶/巴達古樹茶)
・新茶:10~50元/50g
・熟成した年代物はバラつきが大きく40~700元/50gなど

 


六堡茶

(2)六堡茶

(ろっぽちゃ / Liu bao cha)

 

【特徴】

黒茶の中でもプーアル茶と並び歴史ある名茶で、「陳香」という熟成した香りが特徴的。

 

赤みを帯びた透明感のある水色は「中国紅」とも呼ばれる。主に広東、広西エリアや香港、マカオで親しまれている。

 

形状 濃い褐色の大きく柔らかい茶葉
水色 赤みを帯びた明るい深みのある琥珀色
香り 馥郁たる陳香を感じる
味わい

芳醇でコクがある。ほのかに甘みも感じる

 


【産地】

広西チワン族自治区梧州市蒼梧県六堡郷

 

海抜

数百m

年間平均気温 17~23℃
年間平均降雨量 2,000mm前後
土壌 肥沃、深厚、柔軟地質

 


【歴史・逸話】

  • 清代同治年間の書物『蒼梧県志』にも六堡茶に関する記載がある。
  • 蒸す工程がお茶の香りや味を決める重要な製造工程。かごの中に茶葉を積み重ね、日の当たらない冷暗所で数か月放置し熟成させる。この時に六堡茶独特の風格が醸成される。
  • 消化を助ける効能があることから、以前は減肥茶として売られていたことも。