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悠久の歴史を持つ「緑茶」

■ざっくりどんなお茶?■

緑茶

 茶葉もお茶の水色も緑色なので、緑茶。発酵させていないので、”不発酵茶”と呼ばれる。(発酵度0%)

 

中国の歴史の中で一番最初に登場したのが緑茶。

 

唐の時代にはすでに蒸す製造方法が確立されていて、それが日本に伝えられた。その後、明の時代、中国では新たに釜で炒る製造方法が発明され、その製法が現在でも中国緑茶の主流となっている。

 

さらに分類すると、緑茶は、殺青および乾燥工程の違いにより、炒青緑茶、烘青緑茶、晒青緑茶、蒸青緑茶に分類される。

 

緑茶は中国で最大の生産量を誇る。中国で生産される茶葉全体のうち約70%は緑茶。

 

主な生産地は、浙江省、江蘇省、安徽省、江西省、湖北省、湖南省、貴州省。

 

 

緑茶<目次>

緑茶<目次>


楽しみ方

1.楽しみ方

●手軽に飲みたいときは・・・

緑茶のステキな特徴で、茶葉の形がとってもキレイです。ぜひ耐熱性のグラスに直接茶葉をお湯を注いで、さし湯をしながら飲んでみてください。グラスの下に沈んだ茶葉が草原みたいに揺れて目で見ても楽しめます。

 

●丁寧に飲みたいときは・・・

蓋碗がオススメ。うぶ毛が多い茶葉にもちゃんとお湯がなじむように。茶葉を刺激しないように、ゆっくり、優しくお湯を注いでください。お湯で茶葉をたたいてしまうと苦味や雑味が出やすくなります。

 

●裏ワザ・・・!

紫砂壺で淹れてみるのもオススメです。熱湯使ってさっと出すと、すごくスッキリした味わいになります。疲れた時に気分スッキリ!

 


生産エリア

2.生産エリア

中国緑茶産地の地図
中国緑茶産地 ※クリックで拡大

代表的な生産地は、浙江省、江蘇省、安徽省、江西省、湖北省、湖南省、貴州省。


代表的な銘茶

3.代表的な銘茶

(1)西湖龍井

(せいこロンジン / Xi hu long jing)

伝統的な中国十代銘茶の一つ。日本茶でいう"静岡茶"のような存在。「中国の緑茶といえば龍井茶!」

(2)洞庭碧螺春

(どうていへきらしゅん / ピルチュン / dong ding bi luo chun)

色が青緑(碧色)で、巻貝のような形(螺)をしていて、春に採れるお茶。明前が最も良いとされている。とても軽いので、500gの碧螺春を作るのに6~7万個の芽茶が必要になる。

(3)安吉白茶

(あんきつはくちゃ / an ji bai cha)

白茶という名がついているが、分類としては緑茶。美しい茶葉と飲みやすい味わいが人気。アミノ酸が豊富で、甘みや旨みを感じやすいのが特徴。

 

(4)黄山毛峰

(こうざんもうほう / huang shan mao fong)

世界遺産となっている観光名所の黄山地区で生産されるお茶。長い歴史を持ち、伝統的中国十代銘茶に数えられる。

 

(5)太平猴魁

(たいへいこうかい / tai4 ping2 hou2 kui2)

黄山毛峰と並ぶ安徽省の銘茶。5~7cmと非常に大きく平たい豪快な茶葉が特徴。その見た目に反して、香りも味わいは上品で飲みやすい。耐熱グラスで飲むと美しい茶葉の姿も楽しめる。

 


製造工程

4.製造工程

緑茶 製造工程
緑茶 製造工程

※他の中国茶との製造工程比較はこちら



5.銘茶について詳しく・・・

西湖龍井

(1)西湖龍井

(せいこロンジン / Xi hu long jing)

 

【特徴】

伝統的な中国十代銘茶の一つ。日本茶でいう"静岡茶"のような存在。「中国の緑茶といえば龍井茶!」

 

お茶の色、香り、味、形の4点が絶品であることから「四絶」と呼ばれている。「明前」が一番良い時期のお茶とされ、「明後」「雨前」がそれに続く。(※)

※「明前」「明後」「雨前」の違い
・明前茶:清明節(4月5日頃)の前に収穫・製造されたもの。早春茶とも。日本茶でいう一番茶

 

・明後茶:清明節(4月5日頃)の後に収穫・製造されたもの。正春茶とも。

 

・雨前茶:穀雨(4月20日頃)の前に収穫・製造されたもの。

 

形状 扁平で真っ直ぐ尖っている
水色 明るい黄緑色
香り フレッシュで炒った豆のような甘い香り
味わい

程よい渋みとコクのある甘み

 


【産地】

浙江省杭州市西湖西南にある龍井村周辺、海抜30m以上の丘陵に分布している。獅峰、虎砲、梅家塢、霊隠、五雲山などが伝統的な茶園として有名。

 

龍井茶の一級産地と二級産地(地図)

 

海抜 30m前後、春先は雲霧が多い
年間平均気温 16.2℃
年間平均降雨量 1,600mm前後
土壌 酸性赤土、肥沃

 


【歴史・逸話】

  • 西湖にある「龍泓井(りゅうおうせい)」の聖水から名付けられたとされる。
  • 西湖龍井茶と虎跑水という地下水の組み合わせが絶品であることからこの2つを合わせて「杭州双絶」と呼ばれている。
  • 西湖あたりで茶樹の栽培が始まったのは南北朝時代で、現在まで1500年余りの歴史がある。
  • 唐代の陸羽が著作した『茶経』にも、杭州で茶が盛んに製造されていたことが記されている。
  • 宋代からは、天竺、霊隠一帯で製造された茶葉が皇帝への献上茶になっていたらしい。
  • 清代の乾隆帝は生涯で4回龍井の産地を巡幸した。病に倒れた皇后に龍井茶を飲ませたところ、たちまち病から回復したため、西湖龍井の胡公廟の前にあった18本の茶樹に「御茶」という称号を与え、毎年その茶葉は皇太后専用として献上されるようになり、全国にその名を広めた。

【現地卸値参考価格】(2015年)

明前二級:20~130元/50g

明前一級:70~250元/50g
明前特級:120~900元/50g

明後一級:15~70元/50g
明後特級:20~90元/50g

 

※実際に飲んでみました!⇒茶味ログ【緑茶】龍井茶・一春

 


洞庭碧螺春

(2)洞庭碧螺春

(どうていへきらしゅん / ピルチュン / dong ding bi luo chun)

 

【特徴】

色が青緑(碧色)で、巻貝のような形(螺)をしていて、春に採れるお茶。明前が最も良いとされている。とても軽いので、500gの碧螺春を作るのに6~7万個の芽茶が必要になる。

 

茶畑でなく、梅や桃などの果樹園の中で、果樹の下に茶木が植えられているので、独特な果物の味わいを持つお茶と言われている。

形状 とても細かい茶葉で、田螺のようにくるくると湾曲している。全体が産毛に覆われている
水色 透き通った若葉色
香り きめ細やかな甘み、ほのかに花や果物のような華やかさもある
味わい

フレッシュでコクと甘みを感じる

 


【産地】

江蘇省蘇州市呉中区太湖洞庭山

 

海抜 ?(3~300)m、多雲霧
年間平均気温 15.5~16.5℃
年間平均降雨量 1200~1500mm
土壌 酸性、肥沃

 


【歴史・逸話】

  • 洞庭山は唐代・陸羽の『茶経』にも記述がある歴史ある茶区。
  • 清代の震鈞が著した『茶説』に「茶は碧螺春が上質。手に入れにくいが江蘇の天池産のものが最高級品」という記述がある。
  • 清代の康熙38年(1699年)、康熙帝が南方巡幸で太湖を訪れた際、別の名前(※)で呼ばれていたこのお茶を大変気に入った。ただ、名前にあまり品がないとのことで康熙帝自ら「碧螺春」と改名し、献上茶に認定した。※「悩殺香」や「嚇殺人香」などの説がある。どちらも香り高いお茶であるという意味。

 

【現地卸値参考価格】(2015年)

明前三級:40~70元/50g
明前二級:60~90元/50g
明前一級:90~250元/50g
明前特級:100~300元/50g

明後二級:40元/50g前後
明後一級:30~80元/50g
明後特級:40~100元/50g

雨前一級:10~50元/50g
雨前特級:30~70元/50g

 


安吉白茶

(3)安吉白茶

(あんきつはくちゃ / an ji bai cha)

 

【特徴】

白茶という名がついているが、分類としては緑茶。美しい茶葉と飲みやすい味わいが人気。

 

アミノ酸が豊富で、甘みや旨みを感じやすいのが特徴。1970年代から開発され始めた新しいお茶。

 

形状 細長くやや平たい、白い産毛がある
水色 透明感のある若葉色
香り 「淡竹積雪」と形容される爽やかで清涼感のある香り
味わい

甘みがありまろやかで爽やかな味わい

 


【産地】

浙江省湖州市安吉県

 

海抜 400m以上、竹林多く山岳起伏
年間平均気温 15.6℃
年間平均降雨量 1600mm
土壌 肥沃、やし色

 


【歴史・逸話】

・1979年に安吉県で発見された野生茶樹を母木として開発されてきた新しいお茶。1990年代後半から市場で高く評価されるようになり、国際的な銘茶コンテストで1999年以降3回連続で金賞を受賞した。

 

・宋代の徽宗帝趙佶が著した『大観茶論』等に出てくる「(安吉の)白茶」は現代のものとは異なる。

 

・春先の低温時に突然変異を起こした茶樹の芽で葉緑素の形成が減少し、通常よりも葉が白くなったことから白茶と呼ばれるようになったという。

 

・アミノ酸含有量が5~10.6%と、他の緑茶の2~4倍も豊富に含んでいる。

 

・茶樹品種は「白葉1号」。

 

・近年、安吉白茶の茶葉を使って新しいお茶を作る試みがなされている。揉捻を加えて鉄観音のように丸めた緑茶を「玉観音」、紅茶は「吉祥紅」、烏龍茶(岩茶タイプ)は「岩如玉」など。

 

・同じ産地の「安吉白片」とは別のお茶。

 

【現地卸値参考価格】(2015年)

明前二級:30~60元/50g

明前一級:30~90元/50g

明前特級:50~150元/50g

 

明後一級:30~80元/50g

明後特級:30~120元/50g

 

雨前一級:15~40元/50g

雨前一級:20~50元/50g

雨前特級:40~80元/50g

 


黄山毛峰

(4)黄山毛峰

(こうざんもうほう / huang shan mao fong)

 

【特徴】

世界遺産となっている観光名所の黄山地区で生産されるお茶。長い歴史を持ち、伝統的中国十代銘茶に数えられる。

 

形状 「霍舌」に例えられる細く少し曲がった形状
水色 透明感のある山吹色
香り 爽やかさの中に炒った栗のような香ばしい香り
味わい

甘みとコクがあり芳醇な味わい

 


【産地】

安徽省黄山市

 

海抜 700~900m
年間平均気温 15~16℃
年間平均降雨量 2000mm前後
土壌 酸性、黒砂

 


【歴史・逸話】

 

・明代1597年、許次纾が著した『茶疏』において歴史的銘茶の一つとして黄山茶の名を挙げている。

 

・清代の『徽州府志』の中で「黄山茶は宋代、仁宗の嘉祐年間(1056~1063年)に初めて生産され、明代、穆宗の隆慶年間(1567~1573年)に盛んになった」との記載がある。

 

・以上のような記述はあるものの、現代の黄山毛峰は清代の光緒年間に謝正安によって1875年頃から作られ始められたとされている。

 

・芽が峰のように尖っていることから「毛峰」という名がついた。

 

・主な産地は、黄山地区の桃山庵、松谷庵、吊橋庵、雲谷寺、慈光閣、および歙県東郷汪満田など。

 

・中国緑茶の中では珍しく、「烘青」という高温の釜の中で茶葉を滑らせずに乾燥させる製法でつくられ、「烘青の雄」と言われる。

 

【現地卸値参考価格】(2015年)

明前二級:10~40元/50g

明前一級:15~50元/50g

明前特級:30~150元/50g

 

明後一級:10~30元/50g

明後特級:20~70元/50g

 

雨前二級:15~35元/50g

雨前一級:20~70元/50g

雨前特級:30~110元/50g

 


太平猴魁

(5)太平猴魁

(たいへいこうかい / tai4 ping2 hou2 kui2)

 

【特徴】

黄山毛峰と並ぶ安徽省の銘茶。5~7cmと非常に大きく平たい豪快な茶葉が特徴。その見た目に反して、香りも味わいは上品で飲みやすい。耐熱グラスで飲むと美しい茶葉の姿も楽しめる。

 

形状 5~7cmと非常に大きい扁平状の茶葉
水色 透明感のある明るい若葉色
香り 清涼感のある爽やかな香り。独特の蘭の花のような「猴韻(こういん)」がある
味わい

芳醇でまろやか

 


【産地】

安徽省黄山市黄山区猴坑、猴崗、顔村一帯

※詳細は「黄山毛峰」欄を参照

 

【歴史・逸話】

・太平猴魁は清代末期、1900年初めに作られ始めた比較的新しいお茶。

 

・黄山市黄山区は以前は太平と呼ばれており、黄山一帯の茶区でも特に古い茶区の一つ。

 

・猴坑という場所に住んでいた王魁成という人物が作り始めたため、この名称になった。

 

・1915年のパナマ太平洋万博で金賞を受賞し、国際的な知名度が上がった。

 

・1980年以降、中国国内でも数々のコンテストで受賞し、銘茶に名を連ねるようになった。

 

・乾燥した茶葉の形は「刀や槍が集結したよう」であり、お湯を注いだ後の茶葉は「竜が飛び鳳凰が舞う(竜飛鳳舞)」と形容される。

 

・太平猴魁にはグレードの高い順に「猴魁」「魁尖」「尖茶」という呼び名がある。

 

・伝統的にはさらに細かく「猴魁」「魁尖」「貢尖」「天尖」「地尖」「人尖」「和尖」「元尖」「彎尖」と区分されていた。

 

【現地卸値参考価格】(2015年)

明前一級:40~60元/50g

明前特級:60~150元/50g

 

明後一級:20~30元/50g

明後特級:30~70元/50g

 

雨前一級:20~50元/50g

雨前特級:40~300元/50g