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世界に愛される「紅茶」

■ざっくりどんなお茶?■

紅茶

 

紅茶は、“不発酵茶”と呼ばれる緑茶の正反対で、“完全発酵茶”(発酵度100%)。水色が深い紅色のため、紅茶。世界全体の生産量が最も多く、様々な国や地域で親しまれている。

 

中国で生産される紅茶も種類が多く、産地も比較的広い。主な生産地は、福建省、安徽省、浙江省、江蘇省、江西省、湖北省、湖南省、雲南省、貴州省、四川省、広東省、広西チワン族自治区、台湾など。

 

中国の紅茶は苦みが少ないので、砂糖やミルクを入れなくてもストレートでおいしく飲める。

 

紅茶は製法によってさらに、工夫茶、紅碎茶、小種工夫紅茶の3種類に分類できる。

 

紅茶<目次>

紅茶<目次>

  1. 楽しみ方
  2. 生産エリア
  3. 代表的な銘茶(1)祁門紅茶(2)正山小種(3)金駿眉(4)九曲紅梅(5)滇紅(6)英徳紅茶
  4. 製造工程
  5. 祁門紅茶
  6. 正山小種

楽しみ方

1.楽しみ方

●手軽に飲みたいときは・・・

がぶ飲みするなら、大きめのティーポットや急須に茶葉をたっぷり入れて、1~2分蒸らして。時々ふたを開けて、水色の様子を確認すると安心です。水色の濃さで味の濃さも分かります。時間よりも水色に注目するのがコツ。

 

●丁寧に飲みたいときは・・・

オススメはやっぱり蓋碗です。お湯の注ぎ方次第で、同じ茶葉も全然違うお茶になります。ゆっくりお湯を入れて待つと、深みのある上品な味に。茶葉に直接当てないように勢い良くお湯を入れてさーっと抽出すると、広がりのある爽やかな味に。・・・・もちろん練習は必要ですが。

 

●裏ワザ・・・!

熱湯ではなく70度くらいに冷ましたお湯を使ってみると、渋みが抑えられて味も香りもとっても甘くなります。リンゴみたい!日本茶でいう玉露のようなイメージです。

 


生産エリア

2.生産エリア

中国紅茶産地の地図
中国紅茶産地 ※クリックで拡大

主な生産地は、福建省、安徽省、浙江省、江蘇省、江西省、湖北省、湖南省、雲南省、貴州省、四川省、広東省、広西チワン族自治区、台湾など。


代表的な銘茶

3.代表的な銘茶

(1)祁門紅茶(2)正山小種(3)金駿眉(4)九曲紅梅(5)滇紅(6)英徳紅茶

(1)祁門紅茶

(キーマンこうちゃ / Qi men hong cha)

祁門紅茶毫芽(伝統製法) 茶葉
祁門紅茶毫芽(伝統製法) 茶葉

産地は安徽省黄山市祁門県。伝統的な中国十大銘茶のひとつ。祁紅、祁門工夫とも呼ばれる。紅茶の中では特に100年以上の歴史ある銘柄。輸出量も多い。インドのダージリン、スリランカのウバと並び、世界三大紅茶と称される。

 

(2)正山小種

(せいざんしょうしゅ / ラプサンスーチョン / zheng shan xiao zhong)

正山小種 茶葉
正山小種 茶葉

産地は福建省武夷山市星村鎮桐木関。世界で初めて作られた紅茶。非常に強い燻香が特徴で、ハマる人はハマる。その香りはスコッチウイスキーや正露丸、乾燥龍眼などに例えられる。近年ではスモーキーさを抑えた飲みやすい味わいのタイプが主流となっている。

 

(3)金駿眉

(きんしゅんび / Jin Jun Mei)

金駿眉 茶葉
金駿眉 茶葉

主な産地は武夷山国家級自然保護区。原産は福建省武夷山市星村鎮桐木関。紅茶に値段がつかず売れなくなっていた時代を打開するために開発された。芽の部分だけ使うことで渋みを抑え、中国的高級茶のイメージに合うお茶となった。花やフルーツのような甘い香り、味わいは透明感があって冷めると甘みを強く感じる。

(4)九曲紅梅

(きゅうきょくこうばい / Jiu Qu Hong Mei)

九曲紅梅 茶葉
九曲紅梅 茶葉

産地は浙江省杭州市西湖区銭塘江畔一帯。もとは福建省武夷山から伝わった製法のお茶。水色が紅梅のような鮮やかな色であることが名前の由来とも。獅峰龍井とともに「一紅一緑」といわれ、古くから西湖周辺を代表する銘茶となっている。

(5)滇紅

(てんこう / Dian Hong)

滇紅(雲南紅茶)茶葉
滇紅(雲南紅茶)茶葉
滇紅紅碧螺
滇紅紅碧螺

雲南紅茶のこと。主な産地は雲南省南部および西南部。1930年代から作られ始めた比較的新しいお茶。芽の部分を使って製茶しているため金色の産毛が美しい。製法によって滇紅金針や滇紅紅碧螺(べにへきら)と名前を変える。

(6)英徳紅茶

(えいとくこうちゃ / Ying De Hong Cha)

英徳紅茶 英紅九号 茶葉
英徳紅茶 英紅九号 茶葉

産地は広東省英徳市。雲南大葉種を使って1959年に開発されたお茶。現在は様々な品種を使って作られているが、雲南大葉種の群体種の中から選抜された英紅九号が主力品種となりつつある。味わいの特徴は雲南紅茶に似ている。ライチの香りを付けたフレーバーティーも人気。


製造工程

4.製造工程

紅茶 製造工程
紅茶 製造工程

※他の中国茶との製造工程比較はこちら



5.銘茶について詳しく・・・

祁門紅茶

(1)祁門紅茶

(キーマンこうちゃ / Qi men hong cha)

 

祁門紅茶毫芽(伝統製法)
祁門紅茶毫芽(伝統製法)
祁門紅茶紅香螺
祁門紅茶紅香螺

【特徴】

伝統的な中国十大銘茶のひとつ。祁紅、祁門工夫とも呼ばれる。紅茶の中では特に100年以上の歴史ある銘柄。輸出量も多い。

 

インドのダージリン、スリランカのウバと並び、世界三大紅茶と称される。

 

※祁門香とは

ゲラニオール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコールを特徴的な香気成分としたもので、

花香、果香と蜜糖香などの祁門紅茶独特の風味。

 

形状 繊細で細く締まった茶葉。「宝光」と称される艶のある深い黒色。黄金色の産毛も多い
水色 艶のある赤みがかった茶色
香り 「祁門香」と呼ばれるリンゴや蘭に似た馥郁たる香り
味わい

濃厚でまろやか。自然な甘みも感じられる

 


【産地】

安徽省黄山市祁門県

 

海抜

100~350m、多雲霧、峡谷、丘陵地域

年間平均気温 15~16℃
年間平均降雨量 1600~2000mm
土壌 黄色土壌、肥沃、通気性と保水力に優れる

 


【歴史・逸話】

  • 清代の光緒帝の頃(1875~1908年)緑茶の売れ行きが悪くなってきたため、紅茶の作り方を研究していた安徽省黟(い)県の余甘臣という人物が、福建省の紅茶を模倣して完成させたお茶。
  • 1915年パナマ太平洋万博で金賞を受賞し、世界的な知名度が高くなった。
  • 櫧葉(しょよう)種(=祁門種)というタンニン顔料がやや少ない中葉品種で作られるため、苦みや渋みは少ない傾向。
  • 以前は祁門県の周辺で生産されたものも全て祁紅と呼ばれていたが、現在ではそれら周辺のものは「池紅」と区別されている。
  • 祁門紅茶は製造方法によって大きく3種類に分類される。

祁門工夫紅茶

祁紅香螺

祁紅毛峰

・伝統製法

・条形

・新製法

・巻曲形

・新製法

・弯曲形

 

  • ①祁門工夫紅茶:いわゆる伝統製法。精製(仕上げ)の段階で切細(カット)するため、仕上がるお茶は水色が濃くなり、渋みが出やすい。(ちなみにCTC製法だと発酵の段階でカットする⇒発酵が早く進むので楽)
  • ②祁紅香螺③祁紅毛峰:1999年に開発され、2010年以降広まった新製法はカットしない。そのため、仕上がるお茶は水色が薄く、渋みも出にくい。新製法(香螺、毛峰)の方が中国人好み

 

【現地卸値参考価格】(2015年)

一級:10~30元/50g
特級:20~60元/50g

 


正山小種

(2)正山小種

(せいざんしょうしゅ / ラプサンスーチョン / zheng shan xiao zhong)

 

正山小種 茶葉
正山小種 茶葉

【特徴】

世界で初めて作られた紅茶。非常に強い燻香が特徴で、ハマる人はハマる。その香りはスコッチウイスキーや正露丸、乾燥龍眼などに例えられる。

 

近年ではスモーキーさを抑えた飲みやすい味わいのタイプが主流となっている。

 

形状 強くよじられていて細長い形状、赤みを帯びた黒褐色
水色 深みのある赤紅色
香り 特徴的な松煙の燻香
味わい

まろやかで芳醇

 


【産地】

福建省武夷山市星村鎮桐木関

 

海抜

800~1500m

年間平均気温 18℃前後
年間平均降雨量 約2,300mm
土壌 肥沃、有機質豊富

 


【歴史・逸話】

・もともとは武夷岩茶の一つで、半発酵から完全発酵に変わって誕生したお茶。

 

・明代から清代へ移行する17世紀の混乱期に、古くから岩茶を作っていた武夷山の桐木村へ明の軍隊が進行してきた。軍の駐屯中は茶の製造作業ができず、その間も茶葉の発酵が進んでしまい、これが最初の紅茶となったと言われている。また、軍が立ち去った後に急いで製茶するため松を燃やして乾燥作業の効率を上げたことが由来との説もある。

 

・1700年後半から本格的に作られはじめ、ラプサンスーチョン(Lapsang Souchong)という商標名でヨーロッパへ輸出、英国貴族のアフタヌーン・ティーとして広まった。

 

・ラプサンスーチョンという呼び名は福建省の福建語(闽南語)の発音が由来。

 

・ちなみに、初めてこのお茶を見た人たちは、茶葉の見た目が黒いため「烏茶」と呼び、これが紅茶の英語名「Black Tea」の語源となった。また、水色は赤色だったため中国では「紅茶」と呼び、これがそのままの形で日本へも伝わり定着した。

 

・正山小種の「正山」は武夷山(星村鎮桐木関)を、「小種」は岩茶の一種を指す。武夷山以外でつくられるものは「外山小種」と呼び分けていた。アヘン戦争後、中国国内の茶葉市場では競争が激化し、正山茶と外山茶の競争が起きた。結果的に正山茶が勝ったため、正山には正統という意味合いも込められている。

 

・燻焙する際、松の葉、松の枝や松脂を燃やし、その煙で燻す製法により、クセの強い独特の香りを生み出す。

 

・2006年頃から、松の煙で燻さずにつくる無煙タイプの正山小種がつくられはじめ、現在ではその製法が主流となっている。従来の松の煙で燻す作業で目を傷めることが多く、また、武夷山が自然保護区となったことで武夷山の松を採集できなくなり、伝統的な製法で作り続ける茶農家は減少の一途をたどっている。

 

・濃いめに抽出してミルクティーにして飲むのもおいしい。

 

【現地卸値参考価格】(2015年)

明前一級:15~65元/50g

明前特級:20~100元/50g

雨前特級:50~60元/50g